バリ島の身体文化(使い込まれた身体)
- [ Post Date ]
- 2008/04/05
- [ Category ]
- 身体・性・舞踊
バリ島3話目
国際的な観光地だけあって、さまざまな国から来た人たちとどこでも一緒になった。バリの人たちと、いろいろな国の観光客と。やはりその身体の違いは、いろいろな点で面白い。
まずは、使い込まれているか使われずに栄養過多かの問題。
観光客の中では日本人が一番スリムだったかもしれない。
中国人、韓国人の観光客も多かったが、無駄に栄養を蓄えている人が多かった。
同じアジア人で遺伝的には近いはずだが、バリ人と、観光客達は身体が見るからに違う。
日本人の多くや、中国人、韓国人のズドンとした鈍重そうな身体。
バリの人の身体は、まず仕事でよく遣われている。
そして、人に気持ちよく反応する。
身体がよく遣いこまれていることについて。
私の観たケチャの舞踊団は、地元の退職後のおじさん、おじいさんのような方が過半数だった。小柄で褐色のその身体の、背中と腕の筋肉は、なんて美しかっただろう。青年とはひとあじ違い、
地道に、荷物運びや田植えなどで遣い続けてきたのだろう。ケチャの芸能もよかったが、私はおじさんたちの裸の背中そのものから、目が離せなかった。
ホテルのボーイさんたちや、工芸の職人さんたちや、店屋の売り子さんたちや、お寺の参拝の人の群れも、よく働く、感覚のよい身体で、見ていてすがすがしかった。やはり、ジムで鍛えた身体とは違って、味があるなあ。
私達が渓谷の急流くだり(ラフティング)をした時、峨峨たる山奥の濁流の川岸を、白髪のおばあさんが膝まで水につかりながら歩いているのを見て目を疑った。おばあさんはひとり、手を伸ばして岸の竹の子
をとりながら、流れを渡っているのだ。滝も大小いくつもある恐ろしい急流なのに、おばあさんは半裸の姿でしっかりと歩く。その、隆隆と盛り上がった太ももの筋肉!(写真は、滝で舟を停めての撮影。操航中おばあさんを撮るのは無理でした。)
バリ人は男女とも、太った人もいるが、多くの人が均整のとれたスリムな身体だ。
自分の身体の美観を気にする余裕の無い生活だからこそ、身体の「用の美」が可能になる。
ところで。
同じホテルに泊まったお客さんに、日本人の大人3人連れご家族がいて、全員いわゆる「オタク系」に見えた(オタク夫婦+オタクおじいさん)。私達家族は、朝食で一緒になったときなど、この「オタク家族」の言動には密かに着目した。オタク家族はみな、朝食のお皿やカップ、ナイフ類などをすべて紙ナプキンで拭き清める。バイキンを除去したいのだろうか。
日本では、オタク、アキバはよく見かけるので珍しくないが、バリ島旅行中の一週間にすれちがった何千何万の人の中には、他にオタク、アキバは見なかったので、国際的には特異なのだと改めて思った。
さてこのオタク家族、どこがほかの人たちと違っているのか?
まず、表情が乏しいこと。
バリで会うほかの人は、人懐っこく(一部は物売りのためもあり)笑顔や声をかけてくるし、人と目が合って表情が変わらない人はない。
オタク家族は、誰とあっても表情が変わらない。ボーイさんたちが働きかけても表情は変わらない。
また、オタク家族は、なんだか思いが自分の中で籠もっていることが違っている。
思いが籠もった顔の表情は、思いを外に表す普通の表情に囲まれると、奇異だ。オタク家族は、同質の仲間内でしかコミュニケーションしない。外の人との接触に関心がむかない。
フランスやアメリカでオタクという言葉が通用すると聞くと、こういう存在がもう世界的に広まっていると思ってしまうが、それはかなりバランスの悪い見方かなと思う。
バリの人たちの他者への反応のよさも、気持ちのよいものだった。
インド人のようには視線がきつくなく、インディオやアイヌや日本人のように恥ずかしがりすぎない。視線はやさしく、しかも人懐っこくて目で追いかけてくれる。
それでいて、店屋の呼び込みは観光地に行くと、すごくしつこい。殆ど目もくれないで無視して通り過ぎるしかない。それでも彼らは、慣れてへいちゃら。4歳、5歳の子すら、お土産物を手に上目遣いに一生懸命、「やすいよ、200えん」などと話しかけてくるが、無視するよりない。子どもも、そのくらいには耐えられる神経も養っている。
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