生命線

[ Post Date ]
2008/07/12
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日々のこと

夜、父に車で、自宅まで送ってもらったとき。
ハンドルをにぎりながら父は、助手席の私に何気なく言った。
「満紀の右手の生命線は、前は途中で切れて、ふた筋になって、その間を、ほそーい線しかつないでなかったけど、今は大分太くなっただろう。」
えっ?
私は手相なんて、もう十年以上気にもせず、見たこともなかった。
車外の流れるあかりにかざしながら、自分の手のひらを注意して見る。
驚いた。本当だった。
私の右手の生命線は、途中でとぎれ、その2ミリほど左側に、別の線が平行してあらわれて、手首まで降りている。そして2本の間は、かなり太い線が橋渡ししている。

不意をつかれ、内心ふかく頭をさげずにいられなかった。
なんという眼力。
父は20年ほど前、私の手相をみて、ちょうど今の私の年齢前後に生命線の途切れる時期をむかえる、つまり、生命の危機が来ると予想したが、心配させてはいけないと思って言わなかったらしい。
そのころは私の2本の生命線のあいだをつなぐ線が、つり橋のように細かったという。

手相は生き方によって変わっていくもので、たとえば長寿の人はみな長寿の手相をしているが、若いころはそういう手相ではないらしい。

私の手相も変わってきた。2本をつなぐ線は太くしっかりして、今やほとんど本線のようにも見える。
しかし、父は私の生活を見ているだけで、手相を見もしないのに、変わっただろうと言い当てたのだった。
そして、この橋を渡り終えたら、もっとずっと世界が広がるだろう、と言ってくれた。

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2008/07/12
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