「能の身体づかい」のお話
- [ Post Date ]
- 2008/07/06
- [ Category ]
- 舞えや謡えや
7月5日(土)
能の鑑賞会『銀峰会』にて、講演をさせていただいた。
簡略ですが、当日配布のレジュメを以下に掲載します。
銀峰会「能の身体づかい 中心感覚の点から」
2008年7月5日 平山満紀
1能に特有の舞台世界
独特な緊迫感。演者の存在感。人間性のつきつめかた。凝縮されたわずかな動きで深いものを伝える。神、精霊、亡霊などが不自然でなく現出してしまう。…
身体のつかいかたに特有の性質
「秘すれば花」観客が見られるのは「花」であるが。
2中心感覚 日本では「丹田」重視
日本では「丹田」重視。武道、舞踊、禅、茶道、書などさまざまなジャンル共通
貝原益軒「養生訓」、白隠禅師「夜船閑話」にも万病を癒し寿命をのばす←中国
能は日本のほかのジャンルと比べても、丹田への集中強い様子
3「丹田」の由来 中国道教
道教の神仙術の煉丹術のうち、内丹法。
丹=不老不死の薬 田=耕して種をまき育てるための場所
上丹田、中丹田、下丹田に気をめぐらして、気を錬って薬をつくる。
日本にはいると下丹田のみに注目があつまる。
4インドのヨーガ
聖なるエネルギーのセンターを「チャクラ」5、6、7、9、…144数は諸説
一番下のチャクラを開花させ、次々に上を開花させていき、最終的に頭頂のチャクラを開花させるという修行。
(部位、呼び名(=**とある場合は中国道教での呼び名)、はたらき)
頭頂…サハスラーラチャクラ 自分を超えた崇高な世界とつながる
眉間…アジナチャクラ =上丹田 高度な精神的直観力(第三の目)
喉 …ヴィシュダチャクラ 呼吸、浄化力、コミュニケーション力
胸部…アナハタチャクラ =中丹田 心臓、自己、ハート、他者への愛、感動
臍 …マニピュラチャクラ 消化、排泄、感受性、自己のアイデンティティ
恥骨と仙骨の間…スワディスタナチャクラ =下丹田 精力、精神的創造性、根源の命のエネルギー
会陰…ムーラダーラチャクラ 根源の命のエネルギー 性力、根源の命のエネルギー
西洋人 身体の中心を「心臓」。ハートが熱くて、自己主張が強い。
西洋のダンスの呼吸の例(ダンカンダンス 中丹田呼吸)
6もっぱら丹田に集中する日本
単純化して高める
7能に特有の舞台世界とのかかわり
演者と観客の未分
この世のものでない存在の現出
いわゆる「役作り」をしない
8丹田以外のチャクラも、さまざまな工夫でもちいている能。
以上
お世辞でしょうが、聴いてくださったかたがたに面白かったといっていただけました。
何より、能楽師の方々に、なるほど、そういうことは確かにある、と言っていただけたのが嬉しかったです。
この前座はともかく、この日の寺井良雄師『鉢木』は、たたずまいの品格、せりふの日本語の美しさが忘れられない印象を残し、ひたむきに信念と誇りをもって生き抜く、シテ佐野源左衛門常世の、日々の生活まで見えてくるような、存在感ある舞台でした。感服。
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