この夏のダイエット

[ Post Date ]
2009/07/31
[ Category ]
身体・性・舞踊

7月31日(金)

女性の服に、身体をしめつけない、チュニックなどのふわりとしたものが流行しているためか、この夏は、女性達が痩せようとする、焦りの強さは、以前より弱くなっているように感じられる。
IT化で目や大脳の緊張をしいられ、しかも不況で心理的不安も大きい今、着心地が楽な服でなければ、女性達はとても、着て社会生活などできないのではないだろうか。今の柔らかい薄手の服は肌に優しく、不安な身体を愛撫してくれるような感触だ。そしてウエストまわりもおおうだけで絞めないので、ゆったり息ができる。

90年代~2000年過ぎのころには、もっと女性の痩せ願望は極端で、拒食の人を街で見かけることも今より多く、「激やせ」のタレントも次々に現れていた。世紀末や911以後の不安感は巨大で、怯えた小顔や、救いを求めるような痛いたしい細身の身体にしか、リアリティを感じることができなかった一時期だった。
今なお女性の痩せ願望は強いし、その若年化も進んでいるが、痩せようと止むことなく頑張り続けることにも、バランスを崩すと摂食障害に容易に転落してしまう危うさにも、女性達は疲れてきたように見える。
そして、ビヨンセやジャネット・ジャクソンら黒人女性歌手の、迫力ある肉体の魅力に影響され、価値観が変わった部分も、確かにあるだろう。よくこういう願望を、女性自身からもきく。
「ただ細いだけじゃ、魅力がない。出るところは出て、締まるところは締まった身体になりたい。」

黒人女性達の、盛り上がったお尻やパチパチの太ももが美しいと思われる価値観は、日本人には歓迎すべきことだと思う。私は以前から、ダイエット産業の広告で、「ヒップを小さくする」「太もも○センチ減!」という宣伝をみるたびに、おかしい!と思ってきた。女性のヒップと太ももは女性的なエネルギーの貯蓄場所で、ヒップが小さくなったり太ももが削げたりする痩せ方は、生殖機能をひどく害する。そこから立ち直るのにはよくても何年もかかる、有害無益の身体改変なのだ。おばあさんになると、お腹には脂肪がたくさんついていても、太ももなど削げてしまうものだ。太ももが張っているのは若さの証拠。細くしようなどと女性は思わないでほしいし、ダイエット産業はそんな間違った価値観を撒かないでほしい。

カロリー計算や栄養計算で頭をガチガチにさせると、匂い立つような女らしさは萎んでしまい、女性機能も衰えてしまう。
「おいしそう!」、「食べたい」と感じられる感覚にすなおになり、「ああおいしい、もう十分」と満ち足りた瞬間がわかるようになりさえすれば、太りすぎることもなく、色香豊かにいられる。「おいしそう!」、「食べたい」って、すごくセクシーな願望ではないか。こういう感覚をがまんして頭で計算する身体が魅力的になれるはずはない。

ここまでは女性の話。日本では肥満と痩せすぎの傾向が、年齢層と性別によりはっきり分化している。
中年以降の男性は、神経過敏や心理的不安を、食べることでなだめている人が多い。食べてお腹がくちくなれば、血流も消化器に集まり、脳の過敏はおさまるからだ。しかしその結果が、糖尿病などのさまざまな病である。
男性たちは、食べること以外の方法で、この神経過敏や心理的不安の解消を工夫しなければならない時だ。男性たちにこそ、ダイエットは必要なのだ。
男女とも、「おいしそう!」「食べたい」、「ああおいしい、もう十分」と感じられる敏感さを取り戻せばいいのだけれど。

 



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2009/07/31
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