能の会を開催して
- [ Post Date ]
- 2009/07/12
- [ Category ]
- 身体・性・舞踊
7月12日(日)
宝生能楽堂にて、私も事務局をつとめている、能の鑑賞会「銀峰会」を開催した。
有難いことに、600席の宝生能楽堂が、ほとんどいっぱいになった。毎回来てくださるお顔もみえる。
能狂言の会で、興行として経済的になりたっているものは、ほとんどなく、会開催の資金は他所に求めなければならないのだが、それでも、関心をもって観て下さる方、よく味わって下さる方、適切に批評してくださる方、本当にお好きな方に、ひとりでも多く来ていただけるのが、主催者のめざすところだ。
「銀峰会」は19回を迎え、回を重ねるにつれて、よく上演される曲ではなく、比較的珍しい曲、重い曲、地味な曲などもあえてとりあげるようになる。個人の演能会だからこそこれができ、演者にとっては芸の勉強の貴重な機会になる。
だが、とっつきやすい知られた曲でないと、見所(観客)の、特に初めて能を観る方などは、楽しみにくく、退屈な思いをすることもある。舞台と見所との距離が、こういう会の大きな問題なのだ。味わい方をよく知っている、お能好きの方が、おのずとたくさん観に来られた時代もあったが、今は、初めて能に接する方たちを、鑑賞会は観客として育てていかなければならない。
これについて、私たち主催者は、まだまだ課題をたくさんかかえている。
今回は上演にさきだって、主催者側のひとりである文化庁研究員の方に、上演曲にちなんだ講演をしていただいた。毎回なにかの講演をおこなっているが、よりお能を楽しめるようにと始めたことだ。
今回は、とてもわかりやすいお話で、語り口も品格があり好評でした。袴すがたの男前の彼は、おばさま方のハートをぐっとつかんだらしい。
じつは、観能の手助けになる資料を、当日配布しようと私は計画して、「私が作ります」と宣言していたのに、時間切れで出来上がらなかった。後悔しきり。
「江口」の曲の、言葉がわからない、意味がわからなくて寝てしまった、という方たちもいた。よくわかったら、本当に感動するのに、そういう声を聞くたびに私は臍をかんだ。手助けの資料で内容がよくわかれば、もっと楽しめただろうなあ・・・。
伝統芸能でも、普及のための努力はさまざまになされている。
歌舞伎の「イヤホンガイド」は、歌舞伎通であり語りの名人の方が、ライブでガイドをしてくれる。見所もわかり見ただけでは分からない背景の話もわかって、とてもいいと思うが、こういうガイドは、よほどの人材でないとこなせない。
歌舞伎鑑賞教室、能狂言鑑賞教室など、ポピュラーな曲やとりつきやすい曲で解説もついた会も、学校の団体鑑賞などに好まれている。
国立能楽堂では、座席にひとつづつ液晶画面がついて、謡本の原文と現代語訳がみられる。画期的なシステムだ。
個人の演能会でできることとしては、やはり、初心者向けの、能楽一般についての解説書と、見所の方々みなさんに向けた、謡本の原文と現代語訳の資料との配布だろう。
次回からの「銀峰会」は、「わかりやすくて」「毎回足をはこぶと、自然にお能について知識もつき、味わい方もわかるようになる」会を、めざします。今から準備をはじめますね!
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- 2009/07/12
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