猥談
- [ Post Date ]
- 2009/08/07
- [ Category ]
- 身体・性・舞踊
大学一年生たちが私の研究室で、ずいぶんあけすけに猥談をしていた。
『女性器愛撫マニュアル』というイラスト入りの本を男女の学生達でまわし読みをし、露骨にそれについて語っている。男だけ、女だけで話をするのではないのだ。あんまり大胆なので、さすがの私もひるみ、なんとコメントしていいかわからない。
こういう慎みのなさについて、どう考えたらよいのだろう?
男性は老いて性的能力を喪失するにつれ、猥談に熱をいれるようになると、野口晴哉氏は述べていた。猥談を垂れ流さない慎みの力は、性的な力の表れなのだという。
性的な力の弱い人が、慎む力も脆弱で、だらだら猥談を話してしまう。
この大学一年生たちとも、個別に話をすることもあるが、性的にはまだまだ未熟な人たちが多い。
だが、猥談をどうみるかについては、そうともいえないことがある。
日本人の猥談の慎みのなさに、呆れて戸惑ったのは、幕末維新期に日本に来ていた、多くの外国人たちも同じだった。
渡辺京二『逝きし世の面影』平凡社には、外国人たちの日記や手紙による当時の日本人の姿の記録が、数多く収録されているが、
「この人たちの淫奔さは、信じられないほどである。要件がすむや否や、彼らが敢えて談ずる一つの、そして唯一の話題がやってくる。」
「日本人は・・・官能の擒となっていて、その弱点を隠そうとも、責めたてようともしないのである。」
客をもてなすにも、なごやかな場を作るにも、無邪気な猥談に興じることこそ日本人にはお得意のやり方だった。民謡、艶歌などきりがないほど数多かったし。
しかし、猥談を喜んだ当時の人たちが性的な身体能力を衰えさせていたとは全くいえない。
春画も「あらゆる年齢の女たちが淫らな絵を見て大いに楽しんでいる。」女たちの積極性!
「まらの形をした子どもの駄菓子」の店が軒を連ね、また「猥褻な玩具を、父は娘に、母は息子に、兄は妹に買っていく。」性はほがらかな楽しいもので、子どもも遠ざけられていなかった。
外国人たちは、船で日本に近づくなり、岡や小舟の人群れから性的な冗談をとばされ、船に春画を投げ入れられたり、女たちに卑猥なしぐさをされたりしたという。さぞ驚いたことでしょう!
私は現代日本人の性的衰弱の遠因は、江戸時代までの大らかな性規範や性行動に、西洋から輸入したものを無理やり接木したことにあると考えるし、江戸時代にあったもののなんらかの再興は、衰弱から日本人を立ちなおらせるには効果的だと思ってはいるのだ。
そうすると学生達の恥ずかしげのない猥談は、とがめることではないのか・・・?
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- 2009/08/07
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