平山満紀『母性社会の行方』

[ Post Date ]
2010/06/25
[ Category ]
読書ノート

私がずっと抱いてきた主要テーマについての論考を、一冊にまとめました。

「日本の母」はどこへむかったらよいのか。母の崩壊と母子密着が同時進行する現代社会を詠み解き、その時代的変遷と展望を描いています。

明治から戦後までの母性社会の形成過程から、高度経済成長期以降現代までの変容までを、実証的に描いています。
日本では特に強い母子関係の密着(マザコンやひきこもりにも触れています)、「日本の母」のイメージ、価値としての母の観念、悲母観音などの母の宗教性、母からの虐待など母の否定面、生物的母性の衰退、など
母のさまざまな次元を、時代的変遷の視野のもとに描いています。

日本的心理療法といわれる「内観法」・・・「母にしてもらったこと」などを逐一思い出すことで、宗教的回心にも似た人間的変革を体験する人が多いと言われてきた・・・についても、時代的変遷をとらえて論じています。

今、「子どもがかわいいと思えない」「子育てが負担」という母達がとても増えていますが、たんにそれを非難するのではなく、どうしてそうなってしまったか、その内包する意味は何なのか、考えるにも役立つでしょう。

私自身が、母として現代に生きながら抱いてきた、疑問や見通し、接してきた多くの母たちの思いや姿が、結晶した本です。手にとっていただけると幸いです。

平山満紀『母性社会の行方』紀伊國屋書店
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2010/06/25
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