新春にあたり(下)

[ Post Date ]
2012/01/09
[ Category ]
身体・性・舞踊

「セックスレス化する日本を考える(下)」
                              

 現代日本で、どういう条件や状況の人がセックスレスになりやすいか。職場の雰囲気が悪いこと、仕事上で失業や左遷などの挫折経験があることも関連があると『AERA』の調査などからわかっており、労働環境や雇用を考える上でもこのことは留意すべきだろう。一方、夫婦がセックスレスなったきっかけは、夫が拒むよりも妻が拒むほうが多く、出産が機であることも多く、20代30代セックスレスの夫婦で、セックスレスの解消を求めているのは、男性は50~60%台、女性は30%台という結果も『AERA』の調査にある。女性がセックスに消極的、否定的になってしまうことが、セックスレスの要因として小さくない。ここではこの女性の状況を考えたい。


 そもそも、男女の身体の根本的な違いは、男性では生殖器が胴体の外にあるのに対し、女性では生殖器が体内にあって他の臓器と隣接していることだ。そのため女性では、生殖器の状態が他の内臓に直接影響を与えやすい。女性の生理痛にしても、頭痛、めまい、下痢、吐き気、イライラなど、全身のさまざまな症状をとる。当人もそのような症状が生理痛だとわかっている。しかし生理以外の時期のさまざまな症状については、当人は生殖器と結びつけないことが多いが、実はそれも生殖器の不調と関係が深い。生殖器の不調がなくなることで、頭痛や消化器の不調などさまざまな症状が治ることも多い。一方男性は、生殖器が他の臓器から相対的に独立しているので、こういうことは少ないという。


 セックスは男性の方が一見貪欲だが、上と同じ理由で、女性のほうが身心への影響が大きい。よいセックスの後女性の身体は全身がゆるみ、骨盤の開閉がスムーズな健康な状態になる。日本の女性達が、知識としても体験としても十分そのしくみを知らないのは残念だと思う。フランスのジャーナリストがパリの女性達に、「リラックスしたい時に何をしますか?」と調査をしたら、第一位が「彼とセックスする」だったという。このように発想できれば、仕事など完全に忘れて、生き返ることができるだろう。


 女性の出産と産後の身体へのケアが足りなかったことも、関係者は知るべきだと思う。会陰切開の痕が痛み続ける人がいるのを、専門家はどれだけ認識しているだろうか。また、妊娠中開いていった骨盤は出産後の数日間で急速に閉じるのだが、閉じていく途中で起き上がって骨盤を歪ませると、産後に太ったり身体が締まらなかったりする。出産後の過ごし方がよければ、女性はより性的に成熟するのだ。このことももっと知られるとよいだろう。


 女性の性的身心は深い次元で社会を支えている。その健やかであることが追求されるところから、セックスレス社会は大きく変わりうると思う。

MSN 2012年1月9日掲載
 

[ Post Date ]
2012/01/09
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身体・性・舞踊